これから雪山登山道具を揃える方向け。
雪山に登るには、雪山専用の道具、冬用のウェアが必要です。
雪山の道具は、全てが命に係わるものですから、準備を怠ることはできません。
何を揃えればいいの?
費用はどれぐらいかかるの?
当記事では、雪山登山に揃えるべきおすすめの道具やウェアを、ご紹介します。
私が使用して、おすすめな物もご紹介します。
これから雪山登山を始められる方は、是非ご覧ください。
初めての雪山登山 【揃えるべき道具編】
- ピッケル(ドイツ語)アイスアックス(英語)
- アイゼン(ドイツ語)クランポン(英・仏語)
- わかん
- スノーシュー
ピッケル(ドイツ語)アイスアックス(英語)
登山者の憧れ”ピッケル”
大きく分けると、縦走用・登攀用があるが、始めは縦走用がおすすです。
ピッケルを手に持ったと時に、スパイク(シャフト先端)がくるぶしに来るのが目安。
重量があった方がよい。
弧を描いたシャフトの、両手に持つピッケルは、アイスクライミング用です。
登山には適していません。
ピッケルの主な用途は、歩行のバランスを保つ、滑落停止、登攀時の手がかりなど様々です。
ある程度の長さ(くるぶしまで)があり、歩行時に雪面に接触し、体のバランスを保てるぐらいが、使い勝手から良いと思います。
アイゼン(ドイツ語)クランポン(英・仏語)
”アイゼン”は、ピッケル同様、雪山登山の必須アイテムです。
アイゼンは大きく2つに分けられます。
雪山登山に使用するのは、12本爪が基本(10本爪は、足のサイズが小さな女性など)。
8本以下は、残雪期や低山で使用する軽アイゼンに分類されます。
登山靴との相性は、登山靴にアイゼンを取り付けるコバがあるかないか、かかと側(後ろ)にコバがあるか、爪先側(前)にもにコバがあるかで、選ぶアイゼンが違ってきます。
前後にコバがあると、アイゼンがしっかりと固定されます。
後ろのコバだけでも、アイゼンはしっかり固定されます。
かかとにある”コバ”
材質の違いもあり、主流はクロモリ(鋼)です。
ステンレスや軽量のアルミ製もあります。強度的にはクロモリが一番強く、錆びにくさはステンレス。軽さではアルミです。
安心感でいえばクロモリになります。
アイゼンを入れるケースも必須
アイゼンをザックにしまう時に、そのまま入れるのは、よくありません。
爪もひっかかりますし、雪や氷が溶けてしまうと、ザック内を濡らしてしまいます。
しっかりと、収納するケースに入れます。
アイゼン収納ケース
ケース収納した状態
わかん
正式には”和かんじき”
浮力ではスノーシューに劣りますが、軽くシンプルさ故に万能な道具です。
前爪はありませんが、フレームごと突き刺すキックステップができるので、きつい斜面でも有効です。多少の岩稜帯でも小回りがきいて使用できます。
雪山登山でも、わかんを持っている登山者をよくみかけます。
紐で固定するのが基本ですが、ラチェットに交換もできます。
筆者もラチェットに交換しています。
わかん or スノーシューを持っていると、雪山登山も楽しくなります。
スノーシュー
”スノーシュー”は、わかんより大きく重いが、浮力は大きく雪上を歩きやすい。
スノーハイク用と登山用があり、登山用を選んでほしい。
急な斜面にも対応し、キックステップができるモデルもあります。
登山靴の取付は、バックルなで簡単に取り付けられます。
歩く時には、登山靴を固定するバインディングが可動しますので、歩きやすい。
気軽に平原を散策できますし、一気に雪山登山の幅が広がります。
初めての雪山登山 【揃えるべきウェア編(-15℃程度を想定)】
下半身のウェアー
下半身
- 保温材入り登山靴
- 極厚手の靴下
- タイツ
- ハードシェルのパンツ
- ゲイター
雪山用 登山靴
雪山登山靴は、保温材入りの登山靴になります。
選ぶ際には、アイゼンとの組み合わせがあります。
前後コバ付きの登山靴、後ろにコバ付き、コバ無しの登山靴があります。
後ろだけでも、コバが付いていますと便利です。
極厚の靴下
メリノウールの極厚靴下がおすすめ
雪上を長時間歩く事になります。足や爪先が冷えると、身体全体が冷えますので、靴下の重要です。
メリノウールの ”メリット”
- 優れた保温性
- 高い防臭力
- 通気性の良さ
- 肌触り の良さ
メリノウールの ”デメリット”
- 毛玉ができやすい
- 乾きにくい
- 虫食いに弱い
タイツ
私は年間通して、c3fitのインパクトエアーロングタイツを履いています。
ハードシェルのパンツを履く前提ですが、雪山でも十分通用します。
下記サイトで、ご紹介しています、
https://yur-mou103.com/tights/
ハードシェルのパンツ
ハードシェルは、雪山専用とも言える厚手の素材です。
生地の表面がザラザラしていて、雪山で滑落した時に、雪や氷との摩擦で滑落の勢いを減らす効果があります。
ジャケットのハードシェルも同様です。
ストレッチ性があり高強度、ゴアテックスの素材がおすすめです。
価格的にはモンベルのハードシェルパンツがお手頃でおすすめです。
ゲイター
ゲイターとは、パンツと登山靴の間にかけるカバーです。
ゲイターを装着した時に、足の内側が硬い素材が使われていて、アイゼンの爪を引っ掛けても、ゲイターが破れないようになっています。
雪山でのゲイターの目的
- パンツの隙間から靴の中に雪が入らないようにします。
- アイゼンでパンツを破らないようにします。
ゲイターを選ぶ基準
- ゴアテックスであること。濡れてしまうと、登山靴を冷やしていきます。
- ゲイターを止めるファスナーは、前開きがおすすめです。脱着が楽です。
- サイズに注意。S、M、Lを揃えている事が多いです。
- 雪山用ではロングタイプしかないと思いますが、ロングタイプを選んでください。
長さは膝下ぐらいです。
私はブラックダイヤモンドのゲイターを使用していますが、十分基準を満たしています。
細身でスマートです。
上半身のウェアー
上半身
- ベースレイヤーにドライレイヤー(finetrackがおすすめ)
- 中間着は、メリノウールがおすすめ
- フリース
- ハードシェルのジャケット
- グローブ
- バラクラバ
- ニット帽(ウールがおすすめ)
- ヘルメット(山による)
- サングラス or ゴーグル(個人的にOAKLEYのサングラスがおすすめ)
ドライレイヤー
ベースレイヤーとして、ドライレイヤー(finetrackがおすすめ)がおすすめです。
雪山でも、登りは汗をかきます。
雪山の汗冷えは危険です。あっという間に凍りつきます。
ドライレイヤーは、別記事でご紹介していますので、是非ご覧ください。
https://yur-mou103.com/base-wear/
中間着 1
暖かいメリノウール
メリノウール系の厚手シャツを、中間着にするのがおすすめです。
中間着と言っても、雪山では中間着は2枚は必要です。
肌に近い一枚目に、メリノウールを着るのをおすすめします。
中間着 2
中間着は、体内から発せられた熱を溜めておく機能が必要です。
メインの保温着として、首回りまで保温してくれる、起毛したフリースがおすすめです。
暑い時には、フリースを簡単に脱ぐ事もOKです!
フリース
ハードシェルのジャケット
パンツのハードシェル同様、ジャケットもハードシェルを選びます。
気をつける点として、頭から被るフードが一番重要だと思っています。
冬山の稜線は、強風が吹き荒れることも多く、フード無しでは登山できません。
ヘルメットを被って登山することもあるでしょう。
フードを被った時に、いかに首回りが動きやすいか、視認性が良いか、口周りが快適か、非常に大事なところです。
ジャケットは高価ですので、何枚も揃えるのは難しいと思います。
是非、自分に合うジャケット選んでください。
価格では、モンベルがダントツにお手頃価格です。
品質も素晴らしいです。
グローブ
グローブは2枚から3枚でのレイヤリング
- 1枚目は薄手のインナーグローブ(除いても可)
- 2枚目はウール製の暖かいインナーグローブ
- 3枚目はGoreTexのアウターグローブ
赤いバンドは、登山中にグローブを外した時に、風でグローブが飛ばされる事がないので、安心であるとともに、非常に便利です。
バラクラバ
バラクラバ(目出し帽)は、あると良いです。
各メーカーから色んな素材のバラクラバが販売されています。
ウールに拘らず、速乾性のものもおすすめです。
finetrakさんからも素材がドライレイヤーのものが販売されています。
ニット帽
ニット帽は必須です。
素材はウールがおすすめ
耳まですっぽり覆えるニット帽が必須です。
ヘルメット(山による)
登る山によっては必須です。
夏山と比較して、冬山は滑落の危険性が増します。
安全を考えて、少しでも危険があるなら、ヘルメットを装着してください。
サングラス or ゴーグル
雪山登山は、長時間、真っ白な雪山を登る事になります。
晴れた日は、雪からの反射で、目が長時間紫外線にさらされます。
吹雪いている日は、目が開けられない程です。
いずれにしても、何らか目を守るものが必携です。
吹雪いている時はゴーグルがおすすめです。
個人的には、OAKLEYのサングラスがおすすめです。吹雪いていいても、目をカバーしてくれます。
初めての雪山登山【あると便利 アイテム】
あると便利 その他のアイテム
- 保温ボトル
- 日焼け止め
保温ボトル
おすすめは、THERMOS(サーモス) 山専ステンレスボトル
雪山での休憩の一時に、熱いお湯は何よりのご馳走です。
本当に、お湯が冷めないボトルです。
雪山登山するなら、おすすめの一品です。
日焼け止め
晴れた雪山の紫外線は、侮れません。
実は曇り空でも紫外線は降りそそいでいます。
雪上からの紫外線の反射率は80%です。
アスファルトの反射率は10%ですから、比較すると一目瞭然です。
スキー場で、日焼け止めを塗る光景を見かけますが、雪山も同じです。
しっかり日焼け止めを塗って、スキンケアしましょう。
雪山登山 道具・ウェアを揃える費用
ざっと概算しますと、下表のようになります。
参考費用ですので、購入先をユニクロや、今流行のワークマンにすることで、価格を抑えられるウェアもあると思います。
サングラスは、JINSやZoff なども、いいと思います。
季節を残雪期の春山登山にすることで、ハードシェルをレインウェアで代用する事も、始めはありかと思います。
あくまで、参考費用にしてください。
項目 | 参考価格 |
ピッケル | ¥14,000 |
アイゼン | ¥20,000 |
わかん | \14,000 |
スノーシュー | ーーー |
雪山用登山靴 | ¥65,000 |
靴下 | ¥4,000 |
タイツ | ¥10,000 |
ハードシェルパンツ | ¥30,000 |
ゲイター | ¥10,000 |
ドライレイヤー | ¥5,000 |
中間着1 | ¥10,000 |
中間着2 フリース | ¥20,000 |
ハードシェルジャケット | ¥30,000 |
グローブセット | ¥25,000 |
バラクラバ | \3,000 |
ニット帽 | \5,000 |
ヘルメット | ーーー |
サングラス | ¥15,000 |
ゴーグル | ーーー |
保温ボトル | ーーー |
日焼け止め | ーーー |
合計金額 | ¥280,000 |
まとめ
雪山登山に必要な、揃える道具やウェアをご紹介してきました。
ここまで必要ないのでは?とのご意見もあるでしょうし、足りないと思われる方もいらっしゃるかもしれません。
今回ご紹介しましたものは、実際に私が使用している道具やウェアです。
日帰りの雪山であれば、ほぼ網羅していると思います。
一般的な無雪期の道具やウェアは、記事に載せていません。
雪山登山には費用がかかりますが、それ以上の楽しみを秘めています。
是非、雪山登山で、今までにない登山ライフを、楽しんでください!